世界一蹴の旅

2005年8月19日から9月18日までの31日間にもおよぶ世界一蹴(一周)旅行で体験したこと、感じたことなど、7回に分けて語っています。

  1. アル・マハラ報告
  2. フランス・パリ、ディナーショー3晩連荘
  3. ロンドングルメ三昧
  4. しっかり仕事もやってました!工場訪問!
  5. ビッグマックは世界指標のウソ!
  6. フランスでのバカンスの過ごし方
  7. 世界の食についての考察

その3 : ロンドングルメ三昧

今回の旅は、かなりの飛行機に乗るので、趣向を変えてフランスのパリからは、陸路でロンドンに入ることにしたのです。

パリからユーロスターという特急列車がロンドンの中心地まで走っています。そのファーストクラスに乗ってみたのです。

パリは、ギャル・ド・ノード(北の駅=北駅)から、ロンドンの中心地であるワーテルロー駅まで、途中1駅だけ停車してそのまま、市内に入りますから、非常に便利です。

北駅は巨大な駅で、ここからフランスの各地へ列車が出ています。そのひとつが、このユーロスターのロンドン行きのイエローカラーのスマートなデザインの列車です。

全席指定となっていますから、必ず事前に切符を購入して乗車しなければなりません。

それと、フランスから英国にレールだけで入国することになるので、この北駅で英国入国審査が行われ、パスポートにスタンプが押されるのです。まさに、ここから国境を越えるということになるのです。
ユーロスターのファーストクラスには、食事が提供されます。食事前には、食前酒もふるまわれ、エアライン並みのサービスがついています。この列車の食事提供は航空会社との競合を伺うことができ、顧客獲得にやっきになっていることがわかるのです。食事は、2種類の中からいずれかを選択することができるようになっています。このあたりも、航空会社を意識してのことでしょう。

列車は、1等ということもあり、そんなに混んでいないので、非常にゆったりできるのです。パリとロンドンの間なら、ユーロスターを利用して気軽に両都市の行き来をするのが、旅なれた人のやり方かな、とそんな感じを持ちました。

セカンドクラスは、食事がついていないので、新幹線の食堂車のような車両がついています。空腹の乗客は、そこで簡単な料理を購入して、立って食べるか、あるいは自分の席で食べるということになるのです。

北駅を出発した列車は、ゆっくりと街中を走っていきますが、そのうち郊外を走るようになります。パリから北は、のどかな農村地帯で、広大な土地に、乳牛が草を食んでいたり、ルーブルでみたような農村風景などが繰り広げられて、結構車窓の景色を見ているだけでも飽きないものでした。

ちょうど中間地点が、ドーバー海峡となり、その下をトンネルが通っています。
急に暗闇になるので、「ああ、ドーバーなんだ!」と気付くことになるのです。

トンネルを通り抜けると、その向こう側は、イギリスということになります。暗闇を抜けきったところから、景色がガラッと変化するのに驚いてしまいました。

私は、現在、シドニーに在住しているのですが、イギリスは今回が初めての訪問です。そこで感じたのは、イギリスに入ると、まるで自国に戻ってきたような、そんな錯覚にとらわれたのです。それもそのはず!オーストラリアは、現在でもその国家元首をエリザベス女王としている、いわば英国の統治下にあるのです。

従って、その影響を多大に受け、シドニーを初め、各地の大都市に英国の影響が多大に残されています。そのため、イギリスに入国していたのですが、まるで、豪州に戻ってきたような、そんなホッとした雰囲気を感じることができたのでした。これは、私にとっては驚きにも似た感覚でした。

車窓からみる英国の景色は、まるで豪州の田舎に戻ったような温かな感じを受けました。ワーテルローに到着すると、ここではもう入国審査がありません。そのまま素通りで、地下鉄の駅に直行することができました。

ロンドンでは、すでに私の友人たちに依頼をして、ロンドンで出版されている「レストラン」誌の2005年ワールドレストラン50位の中から、3軒を選んでもらって、グルメ三昧としたのです!

1. ノブ ロンドン(NOBU London)

到着一日目は、NOBU London(20位)に友人と2名で勇んででかけました。

私の宿は、ヴィクトリアに取りましたので、そこから歩いてもすぐだということで、徒歩ででかけました。場所は、ロンドンヒルトンから歩いて1分の場所にありました。

レストランは、あるビルの2階。
階段をあがると、すべてがダイニングルーム。
現地男女従業員の総てが、お客様の来店で一斉に声を上げます。

「イラッシャイマ~セ~!」

この歓迎の言葉に、ファインダイニングを予想していた私たちには、ちょっと驚きに近いものがありました。日本人のウェイター、ウェイトレスはいないようで、現地人だけでした。

隣に座った、2名のロンドン出身らしき男性が、「あの言葉は何をいっているんだろう?」と話あっているのを耳にして、「ウェルカムと言っているですよ」と注釈をつけてあげると、「ふ~ん」と聞いていました。

メニューは、日本料理店メニューそのままで、しっかり日本料理が載っていました。

そこで、オーソドックスなメニューを頼み、味見をしたのであります。

確かにしっかりした日本料理ではありましたが、多分、ロンドンでこれだけ本格的な味を出せる日本料理店がないのでしょう!そのため、似非日本料理の多い中で、ここが本格的だということで、顧客の評判を集めているのではないかと推定されました。

まずは、しっかり NOBU の日本料理を楽しんだのであります。

2. ゴードン・ラムゼイ(Gordon Ramsay)

さて、2晩目。ゴードン・ラムゼイ(5位)

ここは、ヴィクトリアのホテル前から、ロンドンのかの有名な箱型タクシーを捕まえたのであります。これに乗って、約10分のところにありました。「ゴードン・ラムゼイ」と名前を告げるだけで、運転手はすぐに居所が判ったようでしたから、かなり有名店と判断しました。

タクシーを降りると、ゴードン・ラムゼイの看板が目に飛び込んできました。ちょうど予約時間でしたから、友人と2人ですぐにダイニングテーブルに通されました。

中は、1930年代の内装で、シックなつくりとなっており、各テーブルには、純白のテーブルクロスが敷いてあり、テーブルの真中にはキャンドルがつけられているので、ロマンチックなムードが大いに漂っている、物静かなレストランでした。

内容は、オントレ、メイン、デザートの3コースメニューとなっています。白色の大皿に盛り付けられてくるそれぞれの料理は、まるで白色のキャンバスに絵でも描くように、大胆な筆遣いのような、太い線のように見える絵画としてでてくるのです。その色使いは、いわばワンタッチという印象を受ける、力強いプレゼンテーションです。

それぞれの料理の味は、5位を名乗るだけのことはある、貫禄のある味わいをしっかりと出しておりました。

ディナーが終了すると、別室に通され、そこでティー・コーヒーとデザートが振舞われ、ゆったりとした雰囲気の中に、静かな語りを楽しむことができるように演出されています。まるで、時間の流れが瞬時ストップしたような、そんな感じをかもし出す空気の流れの中で、ディナーの最後が締めくくられるのです。

ここのロマンチックさは、まさに恋人であるカップルにぴったりのレストランだと判断しました。

3. ハッカサン(Hakkasan)

さて、ロンドン最終の夜、3晩目となりました。今度は、友人が選定してくれた、中華料理のハッカサン(30位)でした。

ここへは、ヴィクトリアから地下鉄でトッテンハム・コート・ロードという駅まで行って、徒歩で数分のところにありました。

レストランに通されると、中は、ほぼ暗闇というような感じの中にテーブルが、ダウンライトに照らされて浮き出して見えるようにデザインされています。

透かし彫りのようなパティションが、レストランの周辺を区切って、奥から透けてみえるような青いライトや、赤いライトが、幻想的な雰囲気をより強調しているのです。ここが中華レストランだと知っていなければ、コンテンポラリーなバーだと言われても、そう信じてしまうことでしょう!

非常に個性あるモダン中華料理レストランです。

ここでも、中国人の友人は、基本である中華を注文しました。彼は中華としては普通だという判断でしたが、それぞれの味はかなり強調されて、この内装同様に、かなり個性を出した中華料理というように感じました。

それぞれのディッシュに深みのある味を出しており、なるほどとうなづかせるものがありました。

3晩にわたって、50位の中に入っているレストランをはしごして、ロンドンのグルメ三昧を楽しみました。その体験からいえることは、それぞれのレストランは、それなりに個性を強調し、順位はつけられてはいるものの、はっきりいえば、50位の中のレストランというくくりでまとめられるのではないかと感じたことでした。

世界の50位以内に選定されるレストランなりの個性がそこに厳然と存在し、それぞれのレストランがしっかりと自己の発現性を強調しているということを発見することになったのでした。

シドニーには、ロンドンに似たそのようなレストランは多々あります。

しかし、日本を見回してみると、さて、それほど個性あるレストランという存在があるのでしょうか?また、そんなレストランが顧客から受け入れられているのかと、考えてみると、う~ん?と首をかしげざるを得ないのです。それぞれが自己主張もなしに、単なるレストランというだけの店舗が多いのではないかというような疑問点が出て来て、さあ?どうなんだろうかという感慨を持つに至ったのでありました。

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