世界一蹴の旅

2005年8月19日から9月18日までの31日間にもおよぶ世界一蹴(一周)旅行で体験したこと、感じたことなど、7回に分けて語っています。

  1. アル・マハラ報告
  2. フランス・パリ、ディナーショー3晩連荘
  3. ロンドングルメ三昧
  4. しっかり仕事もやってました!工場訪問!
  5. ビッグマックは世界指標のウソ!
  6. フランスでのバカンスの過ごし方
  7. 世界の食についての考察

その7 : 世界の食についての考察

31日間に渡る私の旅もそろそろ終わりを迎えようとしております。
そこで、世界をぐるっと一蹴してきた旅の中で、食について感じたことを最後に述べて最終回としたいと思います。

1. 有機食品スーパーマーケット

さて、今回の最初の訪問地はアメリカ合衆国でした。
私が米国を最後に訪れたのは、1990年でしたから、既に15年の歳月が経過しているのでした。今回訪問しての印象は、それまで各地でいわゆるビヤ樽のような体型の男女を多数みることができたのでしたが、2005年の約一週間の滞在でそのようなスーパーサイズの人たちをみることはできませんでした。

つまり、アメリカでも肥満という概念がかなり浸透し始めて、以前のように好きなだけ食べて、どんどん肥り、そのウェストが1メートルとか1メートル半というようは人びとが街から消失しているということを知りました。以前は、街中をちょっと歩くと、すぐにそのような人に出会って、「うわ~」と心の中で叫んでいたものでしたが、今回は本当にそのような人に遭遇する機会を持たなかったのです。

米国にいたときには、あまり気づかなかったのですが、このように冷静になってものごとを観てみると、ああそうだと思い至ったという次第なのです。

それと機を一にしているのかもしれませんが、有機食品のスーパーマーケットがダラスには多々存在していることでした。

その店舗の名前はホールフーズ・マーケット(Whole Foods Market)といいます。カナダとロンドンを含めてその店舗総数を米国国内に180店以上を数えるという老舗です。1980年から営業を始めているというので、なんと既に四半世紀をに渡ってビジネスを継続しているので、たいしたものです。

店舗にはっきりと表示してある会社のポリシーを書き写してきましたので、ご披露してみましょう。

No.1: We actively seek out and support sources of organically grown foods recognising their environmental and health benefit.
私たちは、環境と人間の健康に寄与する有機的に栽培された食品等を製造する提供者を積極的に探して、支援を送っています。

No.2: We feature and prepare foods that are free of artificial flavors and colors, artificial sweetners and synthetic preservatives.
私たちは、人工香料や人工着色料、人工甘味料と工業的保存料を使用しない食品を入手して推奨しています。

No.3: We feature grains and grain products that have not been bleached or braomated.
私たちは、漂白したり、臭素を使用したりしない粉や製粉物を推奨しています。

No.4: We sell only household and personal care products that have been proven through non-animal testing methods.
私たちは、動物実験をしない方法で証明された家庭用品やパーソナルケアの商品を販売しています。

というものです。

つまり、人間はあまりにも人工的になりすぎ、それが健康を損ねているので、有機に戻り、本当の食品を摂取しようではないかという理念です。

店舗を歩きまわってみましたが、下記のようにその商品は膨大な数量に上っているのです。

  • 通路1:サラダ類
  • 通路2:冷凍品・コーヒー紅茶類
  • 通路3:入浴関連
  • 通路4:薬品・化粧品類
  • 通路5:薬品
  • 通路6:ジュース、ウォーター
  • 通路7:スープ
  • 通路8:スナック、ペットフード
  • 通路9:シリアル、ジャム
  • 通路10:スナック類
  • 通路11:ナッツ類の量り売り
  • 通路12:野菜果物類

これらを取り囲むように

  • 肉類
  • 魚類
  • 家禽類
  • 乳製品
  • チーズ
  • 調理品目
  • パン類

ホールフーズに行けば、日常で使用するものはほとんど何でも揃います。ただ価格は、通常のスーパーマーケットのものに比較して20%は高いと友人は言っておりましたが、20%を日常の食品に使用するのか、健康を損ねて医薬品や医者に支払うのかの差だろうと感じました。どちらを選択するのかは、すべて消費者次第ということなのです。

ここ豪州でも、バナナを有機で生育したものを販売しておりますが、米国のホールフーズのようなスーパーをまだ見かける段階にまでは達しておりません。早晩、豪州でも日本でも、この米国のようなスーパーマーケットの存在が脚光を浴びる日がやってくるのだろうと感じますが、食品を扱うわれわれにとっては、どれだけ早くこのような体制にもっていくか否かが成功への道ではないのかと思い至った次第です。

2. おいしいものは存在する

英国にはおいしい料理はない、とか、シドニーでおいしい料理を食べたことはない、という日本人の言葉をよく耳にします。私は、シドニーに住んでいますから、そのような言葉を吐く日本人がいたとしたら、それは「あなたはおいしいところをシドニーでは知らないだけですよ」ということができます。ロンドンは今回初めての訪問でしたから、これまでそんな言葉を聞くと「そ~なんだ?」としか反応する以外に方法はありませんでした。

ところが、この旅に出る前、会員のある方から2005年レストラン世界ランキング50位という表をいただきました。その中から、3晩に3店舗選定してそれらを訪問してきましたが、いずれもこれはすばらしい店舗だというところばかりでした。

ここでも、上の「英国には…」はウソだということを知りました。まさにシドニーと同じ言葉を差し上げることができます。皆さんも、英国でとかシドニーでとか、そんな言葉を吐く日本人がいたら、それはウソだと看過してください。

3. エスニック料理のおいしさ

フランスのバリでは、友人にモロッコ料理の店舗に連れていってもらいました。
また、インドのムンバイでは、別な友人がインドでもこれは素晴らしいという評判だというインド料理店舗に連れていってくれました。両者とも、ほんとうにおいしい料理を出す店舗でした。エスニックにも大変おいしい料理があるという例ですね。やはり、その土地の人で、ほんとうにおいしいところを知っている人に御願いして、おいしいエスニック料理を味わうことが、旅の醍醐味だし、また楽しみでもあるのです。また文化を知るということにもつながりますね。

4. マクドナルドはどこにでもある

マクドナルドは、現在世界の119カ国に存在しますから、マクドナルドのない国を探す方が困難なくらいです。実際に、マクドナルドのゴールデンアーチ(マクドナルドのMを形どったエムマークの看板)をみると、ほっとする時もあります。

ドバイでは、ドバイ最大のショッピングセンターを訪問したとき、マクドナルドを利用してみました。同時に、上から下まで真っ黒なイスラムの衣服に身を纏った女性とその子供たちが、フードコートのテーブルでマクドナルドの商品を食べていました。

私のちょうど真向かいに当たるところに座っていたので、私が食べている間、彼らの食事現場に立ち会うことになったのですが、目だけを出したブブカと呼ばれる黒装束の女性が、マクドナルドのサンデーを食べるところを目撃することになったのです。まず、目から上を覆っている布を頭からすっぽりと下ろします。
その後、目から下を覆っている布をはずして、左手で上の布を持ち上げ、右手でスプーンについだサンデーを口に運ぶのです。

家の中では、このような黒装束ははずすので、問題なく食事は簡単にできるのだそうですが、このような公の場においては、このようにして食べなければならないので、イスラムの女性は大変な努力がいるのだなあ、と奇妙な感心をしておりました!

5. ドバイのフレーバースーク

スークとは市場という意味だそうです。ドバイには、黄金だけを扱うゴールドスーク、調味料や香料をだけを扱うフレーバースークが存在します。両方とも訪問しましたが、フレーバースークに入ると、えにも言われぬすばらしい香りがしてきます。スウェーデンから来ていた旅行者は、このスークで販売されている香料は、世界でも屈指の良質のものが入手できると教えてくれました。とにかく、ありとあらゆる香料が、店先に高く積まれていて、これらをみていくだけでも本当に興味がつきないのです。

6. 道端や路上での食事(ムンバイ)

インドのムンバイは以前、ボンベイと呼ばれていたところです。ボンベイは、英国人がインドを統治していたときに、従来の土地名が発音をしにくいという理由で変更したのです。最近になって、それを元に戻そうということになり、現地語のムンバイに変更したというのです。

そのムンバイ、インドでもビジネスの盛んな都市として有名です。ガンジーが住んでいた街としても名が知れ渡っているのです。

ここでは、その貧富の差は大層はげしく、貧民の食事は道端や、道路に何も敷かずに直に腰をおろして食事をとるのです。

ホテルのリムジンを半日チャーターして、ショーファー(運転手)付きで、ムンバイの街を走ってもらいました。その道すがら、多くの人びとをみることができましたが、人びとの昼食は、このように道路に直接座っての食事です。我われからみると、非衛生きわまりないのですが、彼らにとっては極めて日常的であり、何ら問題のない生活なのです。

それぞれの国には、それぞれの国民が暮らしています。インドでは、まだまだこのような生活も営まれており、また、まったく教育を受けることのできない子供たちも多々いると聞きましたし、目の当たりにすることができました。

私が生まれた日本や、現在暮らしている豪州がどれだけ恵まれているのかをこの光景を見ることによって認識することができるのです。

これらは、このような世界旅行に出てみないと決して知りうることのできるものではありません。しかし、21世紀の文明の世の中に、いまだ道路に直接座って食事をとる国があり、その国民がいるという現実は、食ということを考える上でも重要なことだと思い至った次第です。

31日間に渡る私の旅は、ここムンバイで終了しました。最後に極貧をみるという機会を得たのですが、世界はまだまだ広く、まだまだ改善の余地が残っているのだと知った旅の一日でした。

2005年という年に、アメリカからスタートして東回りに世界を廻ってきました。同時機に、世界を自分という人間を通して鳥瞰してきました。世界には、幾多の人びとが暮らし、生活を営んでいます。それらを、一蹴するなかで見る機会を得たことは、これからの私にとっては大きな意味を持つものになるだろうという予感を表明し、食に関する私の旅をしめくくりたいと思います。

このあと、2005年11月に中国と日本の旅も継続します。それで、本当に世界を一蹴したことになりそうな今年一年となりそうです。

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